ダウン・ツ・ヘヴン Down to Heaven /森博嗣
地上では、死んでいる者たちが、死ぬことを恐れ、
雲に覆われた灰色の空しか見ていない。
希望はない。
死んでいる者たちは、綺麗に死ぬことができないからだ。
そうか……。
僕は、空で死ぬことを望んでいるのだ。
今、それに気がついた。
雲の上にある天国へ、墜ちていけば良い。簡単だ。
だから、こんなに戦いたいのか、草薙水素。
きっと、そうだ。
クサナギのおはなし
彼女は空でのみ生きている
イデアの影 The shadow of Ideas /森博嗣
『ねえ、教えて。貴方の名前は?』
『僕は、誰かではない。ほかの誰でもない。』
夢と現実とが曖昧になっていくお話。
毎度のように、物語に入り込むのに時間がかかったけれど、入って仕舞えばすぐに最後まで進んだ。